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【2026年最新】相続時精算課税制度の大改正!メリット・デメリットと暦年課税との違いを税理士が解説

生前贈与による相続税対策を考える際、贈与税の申告方法として「暦年課税」にするか、それとも「相続時精算課税」を選択するかは、極めて大きな判断の分かれ目になります。


相続時精算課税は一度選択すると、その後は同じ贈与者からの贈与について二度と暦年課税(従来の基礎控除枠)に戻すことができません。 2024年(令和6年)1月1日以降の贈与から制度が大幅にアップデートされましたので、最新のルールを正しく理解した上で選択しないと、将来大きな損失を被るリスクがあります。


今回は、大改正によって注目度が格段に上がった「相続時精算課税制度」の仕組みと、メリット・デメリットについて分かりやすく解説します。

目次

1. 相続時精算課税とは?【2024年以降の改正ポイント】

相続時精算課税とは、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、18歳以上(※改正により引き下げ)の子又は孫に対し、財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度です。

この制度の最大の変更点は、「毎年110万円の基礎控除」が新設された点です。これにより、従来のデメリットが大幅に解消されました。現在の制度は以下の「2階建て」の構造になっています。

1階部分:毎年110万円の基礎控除(※新設)
毎年の贈与額が110万円以下であれば、贈与税はかからず、申告も不要です。さらに、この110万円以下の枠内で贈与された財産は、将来相続が発生した際にも相続財産に加算(持ち戻し)する必要がありません。

2階部分:累計2,500万円の特別控除
年間の贈与額が110万円を超えた場合、その超えた部分の金額については、累計2,500万円まで贈与税がかかりません(要申告)。累計2,500万円を超えた分については、一律20%の贈与税がかかります。

2. どっちがお得?「暦年課税」と「相続時精算課税」の違い

法改正後の「暦年課税」と「相続時精算課税」の主な違いを表にまとめました。

項目暦年課税(従来の贈与)相続時精算課税(選択制)
対象となる年齢制限なし贈与者:60歳以上
受贈者:18歳以上
毎年の基礎控除110万円(110万円以下は申告不要)110万円(110万円以下は申告不要・新設)
特別控除(非課税枠)なし累計2,500万円まで非課税(要申告)
控除を超えた分の税率10%〜55%(累進課税)一律 20%
相続発生時の持ち戻し亡くなる前「7年間」の贈与を加算
(※3年から7年へ段階的に延長)
110万円を超えて特別控除を使った分「全額」を過去に遡って加算

3. 相続時精算課税制度を選択するための手続き

相続時精算課税制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に、納税地の所轄税務署長に対し、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出しなければなりません。

その際、主に以下の添付書類が必要となります。
・ 受贈者(子・孫)の戸籍謄本又は抄本など(氏名・生年月日・贈与者の直系卑属であることを証するもの)
・ 受贈者の戸籍の附票の写しなど(18歳に達した時以後の住所を証するもの)
・ 贈与者(親・祖父母)の住民票の写しや戸籍の附票の写しなど(氏名・生年月日・60歳に達した時以後の住所を証するもの)

※マイナンバー制度の導入に伴い、各種手続きには個人番号カード(マイナンバーカード)等の本人確認書類の提示又は写しの添付が必要です。
※毎年の贈与が「110万円以下」で、初めてこの制度を利用(選択)する場合は、110万円以下であっても最初の年だけは上記届出書の提出が必要ですのでご注意ください。

贈与者が年の途中で死亡した場合でも選択できるか?

贈与者が贈与をした年の途中で死亡した場合でも、相続時精算課税を選択することは出来ます。
この場合には、贈与税の申告書を提出する必要はありませんが、「相続時精算課税選択届出書」の提出は必要になります。
提出期限は通常の場合とは異なり、次の①又は②のいずれか早い日までに、贈与者の死亡の時における住所地の所轄税務署長に提出します。

①贈与税の申告書の提出期限(贈与を受けた年の翌年3月15日))
②贈与者の死亡に係る相続税申告書の提出期限(相続開始の日の翌日から10ヶ月を経過する日)

但し、相続時精算課税を選択するメリットは、収益物件の収益の次世代への移転や、値上がりの可能性の高い財産の評価額固定といったところにありますので、贈与から相続発生までが短期間になる場合には、選択する意味はありません。
贈与者が贈与をした年の途中で死亡した場合に相続時精算課税を選択するのは、短期間で急激に贈与した財産の価格が上がった場合などレアケースに限定されることになります。

4. 贈与者が年の途中で死亡した場合でも選択できるか?

贈与者が贈与をした年の途中で死亡した場合でも、相続時精算課税を選択することは可能です。
この場合は、通常の提出期限とは異なり、以下のいずれか早い日までに「相続時精算課税選択届出書」を、亡くなった方の住所地の税務署長に提出します。
・ 贈与を受けた年の翌年3月15日
・ 亡くなった人に係る相続税申告書の提出期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)

ただし、この制度は「贈与してから相続が発生するまでの期間」が長いほどメリットを出しやすいため、贈与後すぐに相続が起きてしまった場合は、事前の綿密なシミュレーションがないと十分な恩恵を受けられないケースがあります。

5. 贈与税額と相続税額の計算方法

① 贈与税額の計算
年間の贈与額から基礎控除110万円を差し引き、さらに累計2,500万円の特別控除を適用して計算します。
贈与税額 = (年間の贈与額  - 110万円 -  特別控除額 [累計2,500万円まで] )  ×  20%

② 相続税額の計算(精算)
将来、贈与者が亡くなった時には、それまでに相続時精算課税を使って贈与された財産(※毎年の110万円基礎控除分を除いた金額)を、「贈与時の時の価額」で相続財産に足し戻して相続税を計算します。そこから、すでに過去に支払った贈与税額を控除して最終的な税額を精算します。
もし過去に支払いすぎた贈与税があれば、相続税申告によって還付(返金)を受けることができます。

6. 【最新版】相続時精算課税のメリットとデメリット

◆ 3つの大きなメリット

1.【新制度の目玉】毎年110万円までは完全に無税で「あげる」ことができる
新しい制度では、毎年110万円までは将来の相続税の対象にもならず、完全に非課税で財産を移転できます。

2.値上がり確実な財産(土地や株式など)の評価額を固定できる
将来、相続が起きた時には「贈与した時点の価値」で計算されるため、将来値上がりする可能性の高い財産を早くに移転させることで、将来の相続税を大きく抑えられます。

3.収益物件を早期に移転し、次世代にキャッシュを残せる
アパートなどの収益物件を贈与すれば、それ以降に発生する家賃収入はすべて子や孫のものになります。親の相続財産が増えるのを防ぎつつ、子世代に資金を蓄えさせることができます。

◆ 見落とせないデメリット

・ 一度選んだら、その親からの贈与は「暦年課税」に一生戻せない
・ 相続時にすべての贈与財産(110万円超の部分)が加算されるため、贈与した財産が将来値下がりしてしまった場合は、逆に損をしてしまう可能性がある
・ 小規模宅地等の特例(実家を相続した際の8割減税など)との兼ね合いを間違えると、かえって税負担が増えるケースがある

生前贈与・相続税対策のご相談は「税理士法人 阿部会計」へ
2024年の大改正により、相続時精算課税制度は「非常に使い勝手の良い、お勧めの節税手法」へと進化しました。しかし、「暦年課税の7年持ち戻し」と「相続時精算課税の特例」のどちらを選ぶべきかは、ご家族の財産状況や年齢によって全く異なります。

当事務所では、相続専門の女性税理士が、どちらの制度が将来のご家族にとって最も有利か、具体的な数字をもとに何度もシミュレーションを重ねてご提案いたします。

生前贈与・相続時精算課税のご相談はこちら
お電話でのご相談:04-2925-2181(平日 9:00〜17:00)

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