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【2026年最新】相続税額の正しい計算方法とは?7年内の生前贈与や法改正の注意点を税理士が解説

相続税額の計算方法は、他の税金(所得税や住民税など)と比べると、かなり特殊で複雑な手順を踏みます。


いったん法定相続人で財産を分けたと仮定して「相続税の総額」を計算した上で、それを実際の財産取得割合で按分(あんぶん)し、さらに各人ごとの事情に合わせて税額加算や税額控除を足し引きするという、非常にややこしい計算を行います。


この計算の流れを正しく理解していないと、財産総額からイメージする税額と、実際の納税額が大きく乖離してしまいます。税制改正による最新の注意点も含めて、正しい計算ステップを確認しておきましょう。

目次

1. 課税遺産総額の計算(ベースの算出)

まずは、相続税計算のベースとなる「課税遺産総額」を以下の3ステップで計算します。

ステップ1:純資産価格を計算する亡くなった日の財産だけでなく、マイナスの財産(債務)などを整理します。
純資産価格 = 遺産総額(本来の財産+みなし財産) - 非課税財産 + 相続時精算課税の贈与財産 - 債務・葬式費用
※相続時精算課税の贈与財産のうち、2024年以降に贈与された「年110万円の基礎控除分」はここに足し戻す必要はありません。

ステップ2:課税価格を計算する(生前贈与の加算)純資産価格に、亡くなる前の生前贈与を足し戻します。
課税価格 = 純資産価格 + 相続開始前「7年以内」の贈与財産の価格

【最重要の法改正】持ち戻し期間が3年から「7年」へ延長従来は「亡くなる前3年以内」の生前贈与を足し戻すルールでしたが、税制改正により、2024年(令和6年)1月1日以降の生前贈与からは、対象期間が順次「7年以内」へと延長されています。基礎控除(年110万円)以下の贈与であっても、この期間内のものは相続財産に加算して再計算する必要があるため注意が必要です。

ステップ3:課税遺産総額を計算する課税価格から、誰でも一律で差し引ける「基礎控除額」を差し引きます。
課税遺産総額 = 課税価格 - 基礎控除額
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
※相続放棄をした人がいる場合でも、その放棄が無かったものとした場合の「法定相続人の数」で計算します。

2. 相続税の「総額」の計算(仮の分配と税率の適用)

次に、実際の分け方に関わらず、法定相続人が法律通りに分けたと「仮定」して、家族全員分を合わせた「相続税の総額」を計算します。

ステップ1:各法定相続人ごとの仮の取得金額を計算する
各人の仮の取得金額 = 課税遺産総額 × 法定相続分

ステップ2:各法定相続人ごとの算出税額を計算する
ステップ1で出した金額に、税率(10%〜55%の累進税率)を掛け合わせて、個別の仮の税額を出します。

ステップ3:全員分を合計して「相続税の総額」を出す
各人の仮の税額をすべて足し算します。ここで出た「総額」が、今回の相続で国に納める税金のベースとなります。

3. 相続人それぞれが実際に納付する税額の計算

最後に、先ほど算出した「相続税の総額」を、実際に財産をもらった割合で山分けし、それぞれの納税額を決めます。

ステップ1:各人ごとの実際の相続税額を計算(按分)
各人の相続税額 = 相続税の総額 ×( その人が実際に取得した課税価格 ÷ 課税価格の合計額 )

ステップ2:相続税額の「2割加算」をチェック
財産をもらった人が、亡くなった方の「配偶者・親・子供」以外(兄弟姉妹、甥・姪、第三者など)である場合、ステップ1の税額に20%相当額が加算されます。
※子供が先に亡くなっている場合の「孫(代襲相続人)」は加算されませんが、子供が健在な状態で「養子にした孫」へ遺贈する場合は2割加算の対象になります。

ステップ3:各種「税額控除」を差し引く
最後に、各人の状況に合わせて以下の順番で税額控除を差し引き、最終的な「実際の納税額」を計算します。
1.贈与税額控除: 7年以内の生前贈与で、過去にすでに贈与税を支払っている場合に二重課税を防ぐため差し引きます。
2.配偶者の税額軽減: 配偶者は、法定相続分または1億6,000万円のいずれか多い金額まで相続税がかかりません。
3.未成年者控除(※法改正): 相続人が満18歳未満(※改正により20歳から引き下げ)の場合、「18歳に達するまでの年数×10万円」が税額から控除されます。
4.障害者控除: 相続人が障害者の場合、「85歳に達するまでの年数×10万円(特別障害者は20万円)」が控除されます。
5.相次相続控除: 10年以内に続けて相続(例:父親が亡くなった数年後に母親も死亡など)があり、続けて相続税がかかる場合の負担を軽減します。
6.外国税額控除: 海外の財産で、現地でも相続税がかかっている場合に差し引きます。
7.相続時精算課税による贈与税額控除: 過去に相続時精算課税で支払った贈与税がある場合、ここですべて精算し、控除しきれない分は還付(返金)されます。

まとめ:想定外の税額を防ぐため、事前のシミュレーションを

このように、相続税は「財産が1億円だから税金は一律◯%」というように単純に計算することができません。
誰が相続人になるのか、過去にどのような生前贈与を行ってきたか、法改正のタイミングはどう変化しているかによって、実際の納税額は数倍単位で変わるケースが多々あります。
想定外の税負担に驚かないためにも、早い時期に相続税の専門家へ実際の試算(シミュレーション)を依頼されることを強くお勧めします。

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