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デジタル時代だからこそ!「紙に手書き」することの驚くべき効用とエンディングノート

自筆証書遺言の財産目録部分がパソコンで作成できるようになり、法務局での保管制度がスタートするなど、終活や相続の実務でもデジタル化や利便性の向上が進んできました。スマートフォンのアプリやパソコンでの入力で、日々のタスクや記録が簡単に済むことも多くなっています。


一方で、あえて手間や時間のかかる「手書き」には、デジタルにはない特別な効果があることも確かです。 今回は、AIやペーパーレスが当たり前になった今だからこそ見直したい、「紙に書くことの効用」についてお話ししたいと思います。

目次

脳を活性化させるアナログの力

昨今では、学校教育でもタブレット端末が日常的に使われ、ビジネスの現場でもペーパーレス化が叫ばれています。「いまさら紙にペンで字を書くなんて、時代遅れではないか」と思われるかもしれません。
しかし、人間は生き物です。同じ言葉や文章を記録するにしても、キーボードでタイピングするのと、指先に力を込めて筆記するのとでは、脳の使われる部分が全く異なります。
手を動かして字を書くという行為は、脳幹の「網様体賦活系(もうようたいふかつけい)」という神経系を強く刺激します。これにより脳全体が活性化し、集中力や記憶力が飛躍的に高まることが科学的にも証明されています。長文を効率よく作成するにはパソコンが便利ですが、「あえて紙に字を書く」ことには、私たちの心と脳を調律する大きな意味があるのです。
具体的に、どのような場面で「紙に書く」ことが効果を発揮するのか、3つの効用をご紹介します。

効用1.達成したい目標や習慣があるとき

かつて、食べたものをすべてノートに記録する「レコーディング・ダイエット」が流行したことがあります。一々自分の手を動かして紙に書くことで、「いま自分はダイエットをしている」という意識が潜在意識に強く刷り込まれ、自然と行動が変わっていく仕組みです。

この方法は、仕事や日常生活のあらゆる目標に応用できます。
・ 運動の習慣化: 走った距離や時間、ジムに行った日をスケジュール帳に手書きする
・ 勉強の継続: 今日クリアした問題集のページ数や勉強時間を記録する
・ 生活習慣の改善: 毎日の起床時間を手帳の隅に書き留めてみる

小さなことでも、紙に書いて「視覚化」することで、脳はその目標を重要事項だと認識し、モチベーションが維持しやすくなります。

効用2.嫌なことがあったときや、気分が塞いでいるとき

日中あった嫌なことが頭の中でぐるぐる回ってしまい、眠れなくなったり、なんとなくモヤモヤして心が晴れなかったりする夜はありませんか?
このような時は、行き場のない感情が頭の中で飽和状態になり、客観的な整理ができなくなっています。
そんな時こそ、裏紙でもノートでも構いません。いま感じているストレスや不満を、言葉を選ばずにそのまま紙に書き殴ってみてください。(心理学では「エクスプレッシブ・ライティング」と呼ばれる立派なメンタルケアの手法です)

【仕事でミスをして上司にひどく怒られた時の記載例】
「ミスをしてしまって本当に気分が悪い。どうして確認を怠ったんだろう」
「次回からは◯◯のチェック手順を必ず踏むようにしよう」
「それにしても上司のあの言い方はきつすぎる。なぜあんなに怒ったのか?」
「…あ、そうか。自分のミスのせいで、取引先に頭を下げに行くのは上司の役割だからだ。顧客を失うリスクもあった。上司にも辛い思いをさせてしまったな」
「いつもは親切な人だから、今日はたまたま余裕がなかったのかもしれない。明日はしっかり反省と対策を伝えよう」

頭の中で回っている感情を一度外(文字)に出し、それを目で見ることによって、私たちは一歩引いた「客観的な視点」を取り戻すことができます。
数学の難しい問題を解くとき、いきなり回答欄に答えを書くのではなく、計算用紙に途中経過を書き出していくうちに正解が見えてくるのと似ています。完全に問題が解決しなくても、紙に書き出すだけで、モヤモヤした状況から確実に一歩前進することができます。

効用3.質の高いアイデアを出したいとき

ベストセラービジネス書である前田裕二氏の『メモの魔力』でも、メモを取る(紙に書く)ことを単なる事実の記録にとどめず、新しい発想や知的生産に繋げていく重要性が熱く語られています。
どれほど素晴らしいアイデアや、人との会話で得た有益な情報であっても、人間の脳はすぐに忘れてしまうようにできています。その場で書き留めなければ、大半の情報は消え去ってしまいます。
前田氏は、紙に書くことは「外部ハードディスク」と同じであると言います。「記録」という作業は紙に任せてしまい、その分、自分の脳の容量は「新しいアイデアを創造すること」に目いっぱい使う。これが、現代を賢く生きるための手書きの活かし方です。

まとめ:エンディングノートは未来をつくる創造的な活動

紙に手書きすることには、目標達成、心のデトックス、アイデアの創出など、たくさんの効用があります。
相続の生前対策として、私たちはまず「エンディングノートを作成してみること」をお勧めしています。その際、スマートフォンのアプリ等ではなく、ぜひ一文字一文字を噛み締めながら、お気に入りのノートに「手書き」で進めてみてください。
手を動かしてじっくり考えるうちに、これまで気づかなかったご自身の本当の願いや、ご家族への想いに改めて気づくこともあるはずです。ぜひ、ご自身に合った一冊を見つけ、ペンを握る時間を作ってみてはいかがでしょうか。

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