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相続税基礎知識

【2026年最新】遺産分割の正しい進め方とは?遺言書の有無による違いと法改正の注意点を税理士が解説

相続が発生した直後の段階では、亡くなった方(被相続人)の遺産は誰のものというわけではなく、相続人全員で「共有」している状態になります。
遺族がそれぞれの財産を正式に受け取り、自分のものとして使用や売却ができるようにするためには、この共有状態を解消する「遺産分割(いさんぶんかつ)」の手続きを行わなければなりません。今回は、遺言書の有無による遺産分割の手順の違いと、知っておくべき重要な注意点について解説します。

目次

1. 遺言書がある場合の遺産分割


亡くなった方が遺言書を遺していた場合は、原則としてその遺言書に示された内容が何よりも尊重され、その指定に基づいた遺産分割が行われます。遺言による指定は、法律が定める目安である「法定相続分」よりも優先されます。


ただし、法定相続人(配偶者や子供など)には、遺言であっても奪うことのできない最低限の相続権利である「遺留分(いりゅうぶん)」が認められています。もし遺言によってご自身の相続分が遺留分を下回ってしまった場合には、財産を多くもらった人に対して「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を行い、お金でその分を取り戻すことができます。


◆ 主な遺言書の方式と知っておくべき特徴


遺言書には主に以下の3つの方式があり、それぞれ手続き上の注意点が異なります。




  • 自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん): 遺言者がその全文、日付、氏名を自署し、押印して作成する最も手軽な遺言です。原則として開封前に家庭裁判所での「検認(けんにん)」手続きが必要ですが、法務局の「遺言書保管制度」を利用している場合は検認が不要となります。また、財産目録の部分についてはパソコンでの作成や通帳のコピーの添付も認められるようになっています。

  • 公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん): 証人2人以上の立会いのもと、公証役場で公証人が作成する遺言です。法律的な不備や紛失・改ざんのリスクが事実上ゼロであり、家庭裁判所での検認手続きも不要なため、実務上最も確実で推奨される方式です。

  • 秘密証書遺言(ひみつしょうしょいごん): 遺言の内容を誰にも知られたくない場合に、本人が作成・封印した書面を公証人と証人の前で存在証明だけしてもらう遺言です。内容の秘密は守られますが、公証人も中身を確認しないため、書き方の不備で無効になるリスクがあり、実務での利用は非常にまれです。


2. 遺言書が無い場合の遺産分割(遺産分割協議)


遺言書が遺されていない場合は、相続人全員で「誰がどの財産をどれだけもらうか」を話し合って決める必要があります。この話し合いを遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)といいます。


無事に話し合いがまとまったら、その合意内容を証明するための公的な書類として「遺産分割協議書」を作成します。この遺産分割協議書は、銀行預金の解約や、不動産・株式の名義変更手続きを進める際の必須書類となります。


遺産分割協議書には法律で定められた決まった書式(フォーマット)はなく、相続人全員の合意さえあれば、自由に財産の分け方を決めることができます。ただし、以下の実務上の厳格なルールをクリアしなければ、書類としての効力を持ちません。




  • 必ず相続人「全員」の合意があること(1人でも不参加や反対の人がいれば無効です。そのため、事前に戸籍謄本を完全に集めて相続人を確定させる必要があります)

  • 公的機関や銀行に提出する際、相続人全員が「実印」で押印すること

  • 全員の「印鑑証明書」をセットで添付すること


まとめ:分割決定後の名義変更(相続登記の義務化)にもご注意を


遺産分割協議が無事に成立し、遺産分割協議書を作成した後は、速やかに各財産の名義変更手続きへ進みましょう。


特に不動産(土地・建物)の名義変更については、2024年4月から「相続登記の義務化」がスタートしています。遺産分割が成立した日から3年以内に正当な理由なく名義変更登記を行わない場合、過料(ペナルティ)の対象となってしまうため、「後でやろう」と放置せず、確実に行うことが大切です。






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