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【2026年最新】身寄りのない方の遺産はどうなる?「相続人不在」の手続きの流れと遺言の重要性を税理士が解説

日本では、亡くなった方の財産を誰がどのくらい引き継ぐかという基準が民法によって定められており、これを「法定相続人」「法定相続分」といいます。しかし、少子高齢化や未婚率の上昇、核家族化が進む現代において、身寄りがないために「法定相続人が誰もいない」というケースが急増しています。


もし相続人が誰もいない場合、亡くなった方の遺産は最終的にどうなってしまうのでしょうか。実は、放置しておけば自動的に国のもの(国庫帰属)になってしまいますが、生前に適切な準備をしておけば、お世話になった人や応援したい団体へ財産を遺すことができます。今回は、相続人がいないケースの定義や、近年の法改正を踏まえた「相続人不在」の場合の手続きの流れ、大切な財産を守るための対策について解説します。

目次

1.法定相続人が「誰もいない」とされる2つのケース


税法や民法において「相続人がいない(不存在)」と判定されるのは、主に次の2つのパターンです。



■ パターンA:戸籍上の法定相続人が1人もいない場合


亡くなった方の家族構成が、以下の条件のすべてに当てはまる場合です。



  • 配偶者(夫や妻)がいない、子供や孫(直系卑属)もいない

  • 両親や祖父母(直系尊属)はすでに全員死亡している

  • 兄弟姉妹がいない、または先に死亡しており甥・姪(代襲相続人)もいない



■ パターンB:親族全員が「相続放棄」をした場合


亡くなった方に借金などのマイナスの財産が多く、プラスの財産を上回っているような場合、親族は債務の弁済義務から逃れるために「相続放棄(そうぞくほうき)」を選択します。相続放棄をした人は、最初から相続人でなかったものとして扱われ、その子供への代襲相続も行われません。そのため、順位の低い親族まで含めた全員が相続放棄をした結果、最終的に「相続人が誰もいない」状態になります。


2.【法改正対応】相続人不在の場合の手続きの流れ


相続人が誰もいない場合、遺産の管理や清算を行うために裁判所を交えた大がかりな手続きが必要になります。なお、民法改正にともない、従来の「相続財産管理人」という名称は、現在は「相続財産清算人(そうぞくざいさんせいさんにん)」へと変更され、手続き期間の一元化・効率化が図られています。


具体的な手続きの流れは以下の通りです。




  • ① 相続財産清算人の選任申し立て: 亡くなった方にお金を貸していた債権者や、遺言で指定された受遺者、内縁の妻などの「利害関係人」が、家庭裁判所へ申し立てを行います。裁判所によって、地元の弁護士や司法書士などが清算人として選ばれます。

  • ② 官報での公告と債権者への支払い: 清算人が選ばれると、官報によってその旨が公告されます。同時に、亡くなった方への債権(貸付金など)や遺贈の申し出を促す公告が行われ、申し出のあった債権者や受遺者に対して、遺産の中から支払い(清算)が実行されます。この時点で遺産が底をつけば、手続きは終了です。

  • ③ 相続人捜索の公告(相続人不存在の確定): 裁判所は、6ヶ月以上の期間を定めて「本当に相続人はいないか」を捜索する公告を行います。この期間内に名乗り出る人がいなければ、法律上で正式に「相続人不存在」が確定します。

  • ④ 特別縁故者(とくべつえんこしゃ)への財産分与: 相続人の不在が確定してから3ヶ月以内に申し立てをすることで、亡くなった方と生計を同じくしていた内縁の配偶者や、献身的に療養看護にあたった人など(特別縁故者)が、裁判所の判断によって遺産の全部または一部を受け取ることができます。

  • ⑤ 残った財産の「国庫帰属(国のものに)」: 特別縁故者への分与を行ってもなお余った財産がある場合、または特別縁故者からの申し立てがないまま期限を過ぎた場合、すべての遺産は最終的に国庫に納められ、国の所有物となります。


3.大切な財産を国に没収されないために「遺言書」が重要な理由


前述の手続きの通り、身寄りのない方が何の対策もせずに亡くなってしまうと、どれほど思い入れのあるマイホームや一生懸命貯めた預貯金であっても、最終的にはすべて国のものになってしまいます。また、前述の「特別縁故者」として財産をもらうためには、裁判所への複雑な申し立てや厳格な証拠が必要であり、必ずしも希望通りに財産が渡るとは限りません。


そこで、自分の財産を「長年お世話になった友人や知人に譲りたい」「特定の慈善団体や医療機関、地元の市区町村などに寄付(遺贈寄付)して役立ててほしい」という明確な願いがある場合は、生前に「遺言書(いごんしょ)」を作成しておくことが絶対に不可欠です。


法律上、遺言書による意思表示は法定相続人や国庫帰属よりも最優先されるため、遺言書が1枚あるだけで、前述のような「相続財産清算人の選任」といった遺族や関係者への時間的・金銭的な負担をかけることなく、自分の望んだ通りの相手へスムーズに財産をバトンタッチすることができます。


まとめ:身寄りがいないと感じたら、お元気なうちからの早期対策を


「自分には身寄りがいないから、相続対策なんて関係ない」と思われている方にこそ、実は遺言書の作成をはじめとする生前対策が強く求められます。遺言書は、本人の判断能力がしっかりしている「お元気なうち」にしか作成することができません。将来、自分の財産が誰のために使われるのかを明確にし、周囲に迷惑をかけないためにも、早めに専門家へ相談することをお勧めします。






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