Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//【2026年最新】遺産の最低限の取り分「遺留分侵害額請求」とは?時効や計算方法・税金の注意点を税理士が解説

ブログ

【2026年最新】遺産の最低限の取り分「遺留分侵害額請求」とは?時効や計算方法・税金の注意点を税理士が解説

「遺言書に『特定の誰かに全財産を譲る』と書かれていた」「他のきょうだいが不公平なほど多額の生前贈与を受けていた」といった理由で、本来もらえるはずの遺産がほとんど残されていない場合、残された家族はあまりに不利益を被ってしまいます。


このように、不公平な遺言や贈与によって不利益を受けた法定相続人を救済するため、法律(民法)では遺産の最低限の取り分として「遺留分(いりゅうぶん)」を保障しています。そして、その最低限の権利を取り戻すための手続きが「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」です。今回は、遺留分の仕組みや請求できる期限、計算の対象となる財産の範囲、そして実務上見落としがちな税金のリスクについて、相続税専門の税理士が分かりやすく解説します。

目次

1.「遺留分侵害額請求」とは?法改正による重要な変更点


遺留分とは、亡くなった方(被相続人)の配偶者や子供、あるいは親(父母や祖父母)に認められた、法的な最低限の相続分のことです。なお、亡くなった方の「兄弟姉妹(およびその子供であるおい・めい)」には遺留分は一切認められていませんので注意してください。


もし、遺言書などによってこの最低限の取り分が侵されていた場合、多くもらいすぎている相手に対して「私の最低限の取り分を返してください」と求めることを「遺留分侵害額請求」といいます。




※かつての「遺留分減殺請求」との違い

民法の大きな改正により、以前の「遺留分減殺請求(げんさいせいきゅう)」から名称と仕組みが大きく変わりました。かつては土地や株式などの「現物」を切り分けて返す必要があったため、1つの土地が共有名義になってしまい、その後のトラブルを招きがちでした。現在の制度では、権利が「金銭の支払いを請求する権利(お金で解決するルール)」に一本化されたため、スムーズな解決が可能となっています。

2.うっかり過ぎると権利が消滅する「2つの時効」


遺留分侵害額請求権には、法律によって非常に短い期限(時効)が定められています。以下のいずれかのタイミングを過ぎてしまうと、権利は完全に消滅してしまいます。




  • 短期時効: 相続の開始、および自分の遺留分を侵害するような贈与や遺贈があったことを「知った時から1年間」行使しないとき

  • 長期時効: 相続が開始した(亡くなった)瞬間から「10年間」が経過したとき



特に「知った時から1年」という期限は、葬儀や片付け、日々の生活に追われているとあっという間に過ぎ去ってしまいます。不公平な遺言書が見つかった場合は、一刻も早く意思表示(実務上は内容証明郵便などで請求を送る)を行う必要があります。


3.遺留分を計算するための「基礎となる財産」の範囲


自分の遺留分がいくらになるのか(侵害されている金額)を計算するためには、まず遺産の全体像(遺留分算定の基礎となる財産)を正しく算出する必要があります。この基礎財産は、以下の①〜④の合計額から「借金などの債務」を差し引いて計算します。




  • ① 相続開始時に残っていたプラスの財産: 現金、預貯金、不動産、有価証券、自動車や宝石など。(※お墓や仏壇などの祭祀財産は対象から除かれます)。

  • ② 相続人以外への生前贈与: 第三者や孫などへの生前贈与は、原則として「相続開始前1年間」になされたものに限って算入します。(※ただし、お互いに遺留分を侵害すると分かって意図的に行われた贈与であれば、1年以上前のものでも対象になります)。

  • ③ 相続人への生前贈与(特別受益): きょうだいや配偶者など、他の相続人が結婚資金やマイホームの購入資金、独立のための資金として過去に受けていた特別な贈与(特別受益)です。近年の民法改正により、遺留分の計算に含められるのは「相続開始前10年間」に行われた贈与に限定されるようになりました。(※こちらも当事者双方が遺留分を害すると知って行った場合は期限なしとなります)。

  • ④ 不相当な対価による取引(低額譲渡): 時価よりも圧倒的に安い金額で親族へ売却したような、実質的な贈与とみなされる有償行為も対象に含まれます。


4.お金がなくて不動産を渡すと税金がかかる?「代物弁済」の罠


遺留分侵害額請求を受け、それに応じる形で正当な「金銭(お金)」を支払った場合、これは単なる金銭債務の弁済であるため、支払った側にももらった側にも所得税などの税金はかかりません(相続税の申告内容を修正して精算することになります)。


しかし、実務上非常に恐ろしいのが、「手元に支払うためのお金がないから、代わりに相続した土地や家の一部を渡して解決しよう」としたケースです。



【要注意:代物弁済による譲渡所得税の発生】


お金の代わりに不動産や株式などの資産を引き渡して債務を消滅させる行為は、税法上で「代物弁済(だいぶつべんさい)」として扱われます。これは、その不動産を当時の時価で売却して、その売却代金でお金を支払ったのと同じこととみなされるため、引き渡した側(支払った側)に多額の「譲渡所得税」が課税されてしまうという大損リスクが生じます。


良かれと思った現物での解決が、思わぬ二次災害のような税金負担を招くため、遺留分のやり取りに不動産を絡める場合は事前の税金シミュレーションが絶対に欠かせません。


まとめ:不公平な遺言書や遺留分のトラブルは、お早めに専門家へ


遺留分侵害額請求は、不公平な相続から身を守るための正当な権利です。しかし、過去の生前贈与や特別受益の洗い出し、時価の算定、そして支払い方法に伴う譲渡所得税の罠など、一般の方がご自身だけで進めるには法律面でも税金面でもリスクが非常に高い手続きです。


また、これから遺言書を作ろうと考えている方も、あらかじめ遺留分を侵害しないような配慮や対策をしておかなければ、将来残された家族の間で骨肉の争いを引き起こす原因になってしまいます。少しでも不安を感じたら、まずは相続に強い税理士などの専門家へ相談することをお勧めします。






所沢での遺留分・遺言書作成・相続税申告のご相談は「税理士法人 阿部会計」へ


「見つかった遺言書の内容があまりに不公平で、自分の遺留分がいくらあるか正確に計算してほしい」「遺留分の支払いに実家や土地を充てようと考えているが、譲渡所得税などの税金で損をしないか心配」といった疑問やご不安は、当事務所にお任せください。


所沢密着40年以上の実績を持つ当事務所では、相続税専門の女性税理士が、過去の複雑な生前贈与や特別受益(民法上の10年ルールなど)までを徹底的に洗い出し、適正な遺留分や相続税への影響を精緻に試算。代物弁済による思わぬ課税トラブルを防ぎ、ご家族の人間関係や将来の生活にも配慮した最も有利で安心な解決ルートを親身にサポートいたします。まずは当事務所の初回無料相談にて、安心してお話をお聞かせください。



遺留分の計算・相続税の初回無料相談はこちら


⇒ お電話でのご相談:04-2925-2181(平日 9:00〜17:00)


SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧