更正の請求
目次
更正の請求
「更正の請求」とは、申告書を提出した者が、法定申告期限後にその申告税額が過大であると気付いた場合などに減額の更正を求める手続きをいいます。
相続税における更正の請求には、「国税通則法」に基づくものと「相続税法」に基づくものの2種類があります。
更正の請求をする者は、その請求に係る更正前と更正後の課税価格や税額、更正の請求をする理由、請求に至った経緯、その他参考となる事項を記載した更正の請求書を所轄税務署長に提出しなければなりません。
更正の請求を受けた所轄税務署長は、その請求の内容について調査をし、減額するか又は減額すべき理由がない旨を請求者に通知します。
この場合、請求の一部のみ正当と認められる場合は、その一部のみが減額され、残りの請求額については減額すべき理由がない旨の通知があります。
なお、減額すべき理由がない旨の通知書が送付された場合には、請求者は不服申立てをすることができます。
国税通則法に基づく更正の請求
納税申告書を提出した者(その相続人を含む)が、次のいずれかに該当する場合には、法定申告期限から5年以内に限り、所轄税務署長に対し、更正の請求をすることができます。(通則法23①)
・申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと又は当該計算に誤りがあったことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があった場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。
・上記の理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があった場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があった場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかったとき。
更正の請求ができる期間は、通常の場合、上記のとおり法定申告期限から5年以内ですが、その後、判決や和解により申告に係る税額等の計算の基礎となった事実に変動が生じた場合、申告等の際にその者に帰属するものとされていた課税物件が他の者に帰属するものとする他の者に対する更正決定があったこと等により、申告等に係る税額等が過大となった場合には、当該事実が生じた日の翌日から2月以内に限り、更正の請求が認められています。(通則法23②)
相続税法に基づく更正の請求
相続税について申告書を提出した者又は決定を受けた者は、次のいずれかに該当する事由により、その申告又は決定に係る課税価格及び相続税額(その申告書を提出した後又はその決定を受けた後修正申告書の提出又は更正があった場合には、その修正申告又はその更正に係る課税価格及び相続税額)が過大となった時は、その事由が生じたことを知った日の翌日から4ヶ月以内に限り、所轄税務署長に対して、その課税価格及び相続税額について更正の請求をすることができます。(相法32)
・未分割遺産について、その後分割が行われ、共同相続人又は包括受遺者が当該分割により取得した財産に係る課税価格が当該相続分又は包括遺贈の割合に従って計算された課税
価格と異なることとなったこと
・認知、相続人の廃除又はその取り消しに関する裁判の確定、相続の回復、相続放棄の取消しその他の事由により相続人に異動を生じたこと
・遺留分侵害額請求に基づき返還すべき、又は弁償すべき額が確定したこと
・物納に充てた財産が土地である場合において、その土地の土壌が土壌汚染対策法に規定する特定有害物質その他これに類する有害物質により汚染されていることが判明したこと
・相続若しくは遺贈により取得した財産についての権利の帰属に関する訴えについての判決があったこと
・相続の開始後に認知された者による請求があったことにより弁済すべき額が確定したこと
・条件付き遺贈について、条件が成就したこと
還付加算金
①還付加算金の意義
税金が所定の期間内に納付されない場合には延滞税が課されることを考慮して、還付金が還付される場合には、原則として、還付加算金が加算されます。
②還付加算金の計算
還付金等には、起算日から還付の支払決定日又は充当日までの期間に年「7.3」%と「特例基準割合」のいずれか低い割合の還付加算金が加算されます。
<還付加算金の計算式>
還付加算金の額※1=還付金額※2×7.3%(又は特例基準割合)×税法で定められた日※3から支払決定日までの日数÷365日
※1 100円未満の端数切捨て。全額が1,000円未満の場合はゼロ。
※2 1万円未満の端数切捨て
※3 還付加算金の起算日
シェアする