相続税の加算税
目次
- ○ 相続税の加算税
- ・過少申告加算税
- ・無申告加算税
- ・重加算税
- ・仮装・隠蔽とみなされるケース
相続税の加算税
相続税に関する加算税には、次の3種類があります。
①過少申告加算税:期限内申告書を提出した者が、税務署の調査を受けた後に修正申告書を提出した場合や税務署から更正処分を受けた場合に課される税額
②無申告加算税:期限後申告書を提出した者、税務署からの課税価格の決定を受けた場合に課される税額
③重加算税:課税価格又は税額等の基礎となる事実の全部もしくは一部を隠蔽又は仮装していた場合に課される税額
過少申告加算税
過少申告加算税とは、税務調査等により申告期限内に提出された申告書に記載された相続税額が過少であると判断され修正申告書を提出した場合又は更正があった場合に課される税です。
税務調査等によらず、自ら修正申告書を提出した場合や修正申告となったことについて正当な理由がある場合には、過少申告加算税は課されません。
過少申告加算税は、原則として修正又は更正により納付すべきこととなった税額(増差本税)の10%ですが、その金額が期限内申告税額又は50万円のいずれか多い金額を超える場合には、その超える部分については15%となります。
無申告加算税
無申告加算税とは、申告期限までに申告書を提出せずに期限後申告書を提出した場合又は決定があった場合、あるいは、期限後申告書の提出や決定があった後に修正申告書の提出又は更正があった場合に課される税です。
無申告加算税は、原則として申告、決定等により納付する税額の15%となりますが、納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える部分については20%となります。
なお、その期限後申告書又は修正申告書の提出が、その申告に係る調査を予知してされたものでない時は、その申告に基づき納付する税額の5%に軽減されます。
また、期限後申告書の提出がなかったことについて正当な理由がある時は、無申告加算税は課されません。
重加算税
過少申告加算税が課される場合において、納税者が課税価格又は税額等の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠蔽又は仮装した時は、過少申告加算税に代えて、重加算税が課されます。
この場合の重加算税は、重加算税対象額の35%になります。
また、無申告加算税が課される場合において、納税者が課税価格又は税額等の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠蔽又は仮装して、法定申告期限までに申告書を提出せず又は法定申告期限後に申告書を提出した時は、無申告加算税に代えて、重加算税が課されます。
この場合の重加算税は、重加算税対象額の40%になります。
仮装・隠蔽とみなされるケース
・相続人(受遺者を含む。)又は相続人から遺産(債務及び葬式費用を含む。)の調査、申告等を任せられた者(以下「相続人等」という。)が、帳簿、決算書類、契約書、請求書、領収書その他財産に関する書類(以下「帳簿書類」という。)について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄又は隠匿をしていること。
・相続人等が、課税財産を隠匿し、架空の債務をつくり、又は事実をねつ造して課税価格を圧縮していること。
・相続人等が、取引先その他の関係者と通謀してそれらの者の帳簿書類について改ざん、偽造、変造、虚偽の表示、破棄又は隠匿を行わせていること。
・相続人等が、自ら虚偽の答弁を行い又は取引先その他の関係者をして虚偽の答弁を行わせていること及びその他の事実関係を総合的に判断して、相続人等が課税財産の存在を知りながらそれを申告していないことなどが合理的に推認し得ること。
・相続人等が、その取得した課税財産について、例えば、被相続人の名義以外の名義、架空名義、無記名等であったこと若しくは遠隔地にあったこと又は架空の債務がつくられてあったこと等を認識し、その状態を利用して、これを課税財産として申告していないこと又は債務として申告していること。
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