【2026年最新】相続税の税額控除を徹底解説!未成年者(18歳)・障害者控除から相次相続まで
財産の評価減(小規模宅地等の特例など)や債務控除と比べると一見地味に見えますが、税金そのものを直接減らすことができるため、最終的な納税額に与える影響は非常に大きくなります。今回は、重要な4つの税額控除(未成年者控除・障害者控除・相次相続控除・外国税額控除)の要件と計算方法について整理します。
目次
- ○ 1. 未成年者の税額控除(※18歳へ引き下げ)
- ・◆ 未成年者の税額控除の計算式
- ・◆ 本人の税金から控除しきれない場合の特例
- ○ 2. 障害者の税額控除
- ・◆ 障害者控除の計算式
- ・◆ 一般障害者と特別障害者の違い
- ○ 3. 相次相続控除(短い期間に相続が相次いだとき)
- ○ 4. 外国税額控除(海外の財産があるとき)
- ○ まとめ:各種控除の連携は非常に複雑です
1. 未成年者の税額控除(※18歳へ引き下げ)
相続人が未成年者の場合、成人に達するまでの養育費や教育費などの経済的負担を考慮して、以下の要件をすべて満たしていれば、相続税額から一定の金額を差し引くことができます。
- 財産を取得した時に日本国内に住所があること(または一定の非居住無制限納税義務者)
- 亡くなった方(被相続人)の法定相続人であること
- 相続や遺贈(遺言)によって財産を取得していること
- 財産を取得した日の年齢が満18歳未満であること(※法改正により20歳から引き下げ)
※相続を放棄した人が遺言によって財産をもらった場合でも、未成年者控除の適用は可能です。また、受け取った生命保険金が非課税枠に収まり相続税がかからない場合でも、その他の財産を取得していれば対象となります。
◆ 未成年者の税額控除の計算式
未成年者が満18歳に達するまでの年数「1年につき10万円」で計算します。(1年未満の端数は切り捨て)
未成年者控除の額 = ( 18歳 - 相続開始時の年齢 ) × 10万円
◆ 本人の税金から控除しきれない場合の特例
未成年者本人の相続税額よりも控除額のほうが大きく、全額を引ききれない(使い切れない)場合は、その引ききれなかった残額を、その未成年者の「扶養義務者」の相続税額から差し引くことができます。家族全体で大きな節税効果を生む重要なポイントです。
※ここでいう扶養義務者とは、配偶者、直系血族(親・祖父母・子供など)、兄弟姉妹のほか、生計を一にしている三親等内の親族などを指します。
2. 障害者の税額控除
相続人が障害者である場合、今後の生活基盤を支えるための負担を考慮し、以下の要件をすべて満たしていれば一定の金額を相続税から控除できます。
- 財産を取得した時に日本国内に住所があること
- 亡くなった方の法定相続人であること
- 相続や遺贈によって財産を取得していること
- 財産を取得した日の年齢が満85歳未満であり、かつ障害者であること
◆ 障害者控除の計算式
その障害者が満85歳に達するまでの年数「1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)」で計算します。(1年未満の端数は切り捨て)
一般障害者の控除額 = ( 85歳 - 相続開始時の年齢 ) × 10万円
特別障害者の控除額 = ( 85歳 - 相続開始時の年齢 ) × 20万円
※未成年者控除と同様に、障害者本人の税額から引ききれない場合は、その残額を扶養義務者の相続税額から差し引くことが可能です。
◆ 一般障害者と特別障害者の違い
- 一般障害者: 身体障害者手帳3〜6級、精神障害者保健福祉手帳2〜3級、療育手帳(愛護手帳)3〜4度などの方
- 特別障害者: 身体障害者手帳1・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、療育手帳1〜2度(A)などの方。また、成年被後見人の方や、6ヶ月以上寝たきりで常時介護が必要な方も対象となります。
※介護保険の要介護認定を受けている方で、一定の基準を満たす場合は、市区町村長から発行される「障害者控除認定書」を提出することで適用が受けられる場合があります。
3. 相次相続控除(短い期間に相続が相次いだとき)
今回の相続が起きる前「10年以内」に、亡くなった方(被相続人)自身が別の相続で財産を取得し、すでに相続税を支払っていた場合、短期間に二重に相続税が課される負担を和らげるため、一定の金額を今回の相続税から差し引くことができます。これを相次相続控除(そうじそうぞくこうじょ)といいます。
◆ 相次相続控除の計算のイメージ
前回の相続で課税された相続税額をもとに、経過した年数(1年につき10%ずつ減額)や、今回の相続人が取得した財産の割合に応じて、複雑な計算式を用いて算出します。
※この特例は「今回の相続人」である場合に限り適用できます。相続を放棄して遺言で財産をもらった人には適用できませんのでご注意ください。
4. 外国税額控除(海外の財産があるとき)
日本国外にある財産(海外の不動産や預金、海外法人の株式など)を相続した場合、日本の相続税だけでなく、その財産がある現地国でも相続税に相当する税金がかかることがあります。この「国際間の二重課税」を防ぐために設けられているのが外国税額控除です。
海外で支払った税額を日本の相続税から直接差し引くことができますが、海外の財産割合に応じた一定の限度額(上限)が定められています。なお、外国の通貨を日本円に換算する際は、原則として「納税すべき日」の電信売相場(TTS)を用いて計算します。
まとめ:各種控除の連携は非常に複雑です
ご紹介した各種の税額控除は、相続人個々の年齢や障害の程度、さらには過去の相続の履歴(10年以内か)などによって適用可否や金額が細かく変化します。また、未成年者控除や障害者控除のように、「本人が引ききれなかった分を扶養義務者に回す」といった家族間での緻密な連携計算も求められます。
これらを漏れなく適用し、最適な遺産分割のバランスを見極めるためには、専門家による網羅的なチェックが不可欠です。少しでも対象になりそうな親族がいらっしゃる場合は、早い段階で税理士にご相談いただくことをお勧めします。
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