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【2026年最新】贈与税の仕組みとは?暦年課税・精算課税の違いと非課税特例の改正を税理士が解説

親から子、祖父母から孫へ財産を移す「生前贈与」は、将来の相続税を抑えるための非常に有効な手段です。しかし、贈与のやり方や税制の仕組みを正しく理解していないと、思わぬ高額な贈与税がかかってしまい、かえって損をしてしまうことがあります。


特に近年、相続税と贈与税のあり方を根本から変える歴史的な大改正が行われ、従来の節税常識が大きく塗り替わっています。今回は、2026年現在の最新税制に基づき、贈与税の2つの課税方法(暦年課税・相続時精算課税)の違いや、各種の非課税特例の最新動向について、相続税専門の税理士が分かりやすく解説します。

目次

1.贈与税の基本と「暦年課税(持ち戻し7年への延長)」の仕組み


贈与税は、原則として1人の人が1月1日から12月31日までの1年間に、個人からの贈与によって受け取った財産の合計額に対して課税されます。(※法人から財産をもらった場合は贈与税ではなく「所得税」がかかります)。


最も一般的に使われているのが「暦年課税(れきねんかぜい)」という方法です。年間110万円の基礎控除額があるため、1年間に受け取った財産が110万円以下であれば贈与税はかからず、税務署への申告も不要です。



【重要:相続前贈与の加算期間が7年に延長中】


暦年課税を利用する場合、最も注意しなければならないのが「亡くなる直前の贈与はなかったものとして相続財産に足し戻す」というルールです。かつては亡くなる前3年以内の贈与が対象でしたが、税制改正によりこの期間が「7年間」へと段階的に延長されています。2026年に発生した相続においては、亡くなる前5年超の遡り加算が適用され始めており、最終的に7年まで伸びていきます。そのため、駆け込みの生前贈与による節税効果は薄れており、より早い段階からの長期的な計画が必須となっています。


2.大改正で劇的に使いやすくなった「相続時精算課税」


「相続時精算課税(そうぞくじせいさんかぜい)」とは、原則として18歳以上の子や孫が、60歳以上の親や祖父母から贈与を受ける際に対象となる選択制の課税方法です。一生涯で通算2,500万円までの贈与にはその時点で贈与税がかからず、2,500万円を超えた分に一律20%の贈与税がかかります。(※ここで支払った贈与税は、将来の相続時に精算されます)。


以前は不人気だったこの制度ですが、近年の大改正により「年110万円の基礎控除枠」が新設されたことで、評価が180度変わりました。




【2024年以降の精算課税のメリット】

精算課税を選んだ後も、毎年110万円までの贈与であれば贈与税がかからず、税務署への申告も必要ありません。さらに、この毎年の110万円以下の贈与については、将来親が亡くなったときに相続財産へ足し戻す必要が一切ありません。暦年課税の7年縛りを回避できるため、2026年現在、非常に有力な生前贈与の選択肢となっています。

※一度この制度を選択すると、その後は同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」に戻すことはできません。また、最初の選択時には納税額がゼロであっても必ず期限内(翌年2月1日〜3月15日)に税務署へ申告書を提出する必要があります。


3.夫婦間で実家や購入資金を贈与したときの「配偶者控除」


婚姻期間が20年以上の夫婦間で、自分が住むための居住用不動産(実家など)、またはその購入資金の贈与が行われた場合、通常の基礎控除110万円に加えて、最高2,000万円まで(合計2,110万円まで)贈与税が非課税になる特例です(通称:おしどり贈与)。



■ 主な適用要件



  • 夫婦の婚姻期間が、贈与の時点で満20年を超えていること

  • 贈与された財産が、国内の居住用不動産、またはそれを取得するための金銭であること

  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その不動産に実際に住み始め、その後も引き続き住み続ける見込みであること


※この配偶者控除は、同じ配偶者からの贈与については「一生に一度」しか使えません。適用を受けるには、戸籍謄本や登記事項証明書などを添付して、翌年に贈与税の申告を行う必要があります。


4.直系尊属(親・祖父母)から受ける「非課税特例」の最新動向


親や祖父母から、まとまった資金の贈与を受ける場合に用意されている優遇措置ですが、最新の税制改正大綱などにより、現在の利用条件や存続状況が大きく変わっています。



(1)住宅取得等資金の贈与の非課税【3年延長が決定】


子や孫(18歳以上)がマイホームを新築・購入・増改築するための資金を親や祖父母から贈与された場合、質の高い住宅(省エネ等)なら1,000万円、一般住宅なら500万円まで贈与税が非課税になる制度です。最新の令和8年度税制改正において、この措置の期限がさらに3年間延長され、2029年12月31日まで利用可能となりました。(所得制限は原則として合計所得金額1,000万円以下、床面積50㎡以上240㎡未満などの要件があります)。



(2)教育資金の一括贈与の非課税【3年延長が決定】


30歳未満の子や孫の入学金、授業料、塾の費用などのために、銀行などの専用口座を通じて一括贈与を行う場合、最大1,500万円(学校以外は500万円)まで非課税になる制度です。こちらも最新の税制改正により期限が3年延長され、2029年3月31日まで継続されることになりました。ただし、贈与者が亡くなった時点の残高に対する相続税加算のルールが近年厳格化されているため、出口の税務リスクに注意が必要です。



(3)結婚・子育て資金の一括贈与の非課税【制度終了・廃止】


※この特例は、以前の税制改正の決定通り、延長されることなく2025年3月31日をもって完全に終了(廃止)いたしました。そのため、2026年現在、新たにこの制度を使って非課税口座を開設することはできませんのでご注意ください。(過去に開設した既存口座の管理のみ継続となります)。


まとめ:生前贈与は最新の税制に合わせた長期シミュレーションが成否を分ける


生前贈与は、相続税を抑えるための最も身近な手段ですが、暦年課税の7年持ち戻しへの延長や、新しくなった相続時精算課税のメリット、各種非課税特例の廃止・延長など、時代に合わせて「どの制度を組み合わせるのが一番得か」が目まぐるしく変化しています。


間違った選択をして後から軌道修正しようとしても、税法上の選択はやり直しがきかないケースが大半です。良かれと思って始めた贈与で家族が困らないよう、贈与を実行する前に必ず専門家へ相談し、将来の相続税までを見据えた試算を行うことを強くお勧めします。






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