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【2026年最新】配偶者居住権とは?メリット・取得の流れと相続税評価の計算方法を解説

相続に関する民法の大幅な改正によって創設された「配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)」。これは、夫婦の一方が亡くなった際、残された配偶者がこれまで住んでいた自宅に、原則として亡くなるまでの間、無償で住み続けることができる権利です。
この制度を活用することで、「住む場所」を確保しながら、自宅の「所有権」自体は子供などに相続させることができ、遺産分割を円満に進める大きな助けとなります。今回は、配偶者居住権の基本ルールと、知っておくべき相続税の取扱いについて解説します。

目次

1.配偶者居住権が認められている範囲と特徴


配偶者居住権の適用にあたっては、以下の3つの特徴があります。




  • 適用対象は建物全体: 権利の対象は建物のすべてに及びます。例えば、自宅の一部を店舗やテナント、賃貸マンションとして他人に貸し出しているような併用住宅であっても、それらを含めた「建物全体」が配偶者居住権の対象となります。

  • 存続期間は原則として「終身」: 原則として配偶者が亡くなるまで一生涯続きます。ただし、遺言や遺産分割協議の段階で「10年間」「20年間」といった一定の存続期間をあらかじめ設定することも可能です。

  • 利用方法は相続前と同じ: 建物の使い方は、相続が始まる前と同様でなければなりません。建物の一部を店舗として貸していた場合は、相続が始まった後も同じようにテナント物件として利用し続ける必要があります。


2.配偶者居住権を取得する流れ


配偶者居住権は、夫や妻を亡くしたからといって、自動的に取得できるわけではありません。取得するためには、以下のいずれかの手続きを経る必要があります。




  • 被相続人(亡くなった方)が、遺言書で配偶者に遺贈する旨を記載しておく(遺贈の指定)

  • 相続の発生後に、相続人全員での「遺産分割協議」によって取得を決定する

  • 家庭裁判所の調停や審判によって取得を認めてもらう



このように、意思表示や書類での決定が必要となるため、生前からの対策、または遺族間での話し合いが不可欠です。


3.配偶者居住権が設定された自宅の相続税評価

◆ 建物と土地の評価の仕組み


配偶者居住権を設定した場合、自宅の価値は「配偶者が持つ権利(居住権・敷地利用権)」と「他の人が持つ権利(所有権)」に切り分けられ、それぞれが個別に相続税の課税対象となります。




【建物の評価】

・配偶者居住権の価額 = 建物の相続税評価額 - 建物の所有権価額(残存耐用年数や法定利率をもとに算出)

・建物所有権の価額 = 建物の相続税評価額 - 配偶者居住権の価額



【土地の評価】

・敷地利用権の価額 = 土地の相続税評価額 - 土地の所有権価額(存続年数や法定利率をもとに算出)

・敷地所有権の価額 = 土地の相続税評価額 - 敷地利用権の価額


これらは、建物の築年数(残存耐用年数)や、配偶者の年齢(平均余命)などから計算されます。


※なお、計算に用いられる民法の法定利率は3年ごとに見直しが行われる変動制ですが、2026年4月の最新の見直しにおいても引き続き「年3%」に据え置かれること(2029年3月末まで維持)が決定しています。


4.第三者に対抗するために「登記」が必要


配偶者居住権を取得した後は、建物の所在地を管轄する法務局へ、速やかにその権利の登記申請を行う必要があります。


もし登記を行わないまま、建物の所有権を引き継いだ相続人(子供など)が第三者にその自宅を売却してしまった場合、配偶者は新しいオーナーに対して「住み続ける権利」を主張できなくなってしまいます。登記の際には、建物の固定資産税評価額の0.2%に相当する登録免許税がかかりますが、配偶者の身を守るための必須実務です。


5.「配偶者短期居住権」との違い


配偶者居住権と名前が非常によく似た制度に「配偶者短期居住権(はいぐうしゃたんききょじゅうけん)」があります。これは、相続発生直後の配偶者が、住む場所に困らないよう最低限認められた一時的な権利です。主な違いは以下の通りです。




  • 存存期間の違い: 長期の配偶者居住権が「原則終身(一生涯)」であるのに対し、短期居住権は「相続開始から6ヶ月間」、または「遺産分割で自宅の次の所有者が決まった日」のいずれか遅い日までという、短い有効期間しかありません。

  • 対象範囲の違い: 長期居住権は「建物全体」が対象になりますが、短期居住権は配偶者が実際に使っていた「居住用部分のみ」に限定されます。



遺産分割の結果、長期の配偶者居住権を取得しないことになった場合であっても、この短期居住権によって、最低6ヶ月間は自宅から無理に退去させられることなく落ち着いて次の生活を考えることができます。


まとめ:配偶者居住権の活用は「二次相続」まで見据えた計画を


配偶者居住権は、遺族間の財産トラブルを防ぎ、配偶者の老後を守るための非常に優れた制度です。しかしその一方で、相続税の評価額の算出が極めて複雑であり、また配偶者が将来亡くなった際の「二次相続(次の相続)」で家族全体での税金がどう変化するのかまで見据えた、高度な税務シミュレーションが求められます。


適用の可否や具体的な評価額の計算については、相続の手続きが動き出す前の早い段階で専門家へ相談されることを強くお勧めします。






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