【2026年最新】相続税の土地評価は「筆数」ではない?「宅地の評価単位(画地)」の判定基準を税理士が解説
相続税を計算する際、土地(宅地)の評価は登記簿上の「1筆(ひつ)」ごとに行うわけではありません。税法上は、実際の利用状況に応じた「1画地(かくち)」という単位ごとに評価額を計算します。
この「評価単位」の分け方を間違えてしまうと、土地の評価額が本来よりも高くなって無駄な相続税を支払うことになったり、逆に過少評価になって税務調査でペナルティを科されたりするリスクがあります。今回は、相続専門の税理士が、実務で非常によく使われる「宅地の評価単位」の具体的な判定基準を分かりやすく整理します。
目次
- ○ 1.土地評価の基本となる「1画地」とは?
- ○ 2.【パターン別】宅地の評価単位の具体的な判定基準
- ○ 3.評価単位の判定を間違えたときの「大損リスク」
- ○ まとめ:土地の正しい評価は「専門家による現地確認」が不可欠です
1.土地評価の基本となる「1画地」とは?
相続税における宅地の評価は、権利の及ぶ範囲や実際の使われ方によって「1つの利用単位」ごとにグループ分けして行います。これを「1画地」といいます。
例えば、隣り合う2つの土地を所有していても、その2つにまたがって1軒の自宅を建てて暮らしている場合、評価の単位は2つではなく「1つの大きな土地(1画地)」としてまとめて評価します。逆に、1つの広い土地であっても、半分を自宅、半分を他人に貸すアパートの敷地にしている場合は、別々の「2つの土地(2画地)」として分けて評価を行います。
2.【パターン別】宅地の評価単位の具体的な判定基準
土地の利用状況や貸し借りの関係によって、評価単位は以下のように判定されます。ご自身やご家族が所有している土地がどれに該当するか確認してみましょう。
- ① 自宅や自社ビルなど自ら使用している場合(自用): 居住用、事業用にかかわらず、その土地の全体を「1画地」として一体評価します。
- ② 一部を自宅、一部を貸家(アパート等)にしている場合: 自宅部分と、アパートの敷地部分をそれぞれ別々の「独立した画地」として完全に分けて評価します。
- ③ 一部を定期借地、一部をアパートにしている場合: 定期借地権が設定されている部分と、アパート(貸家建付地)の部分をそれぞれ別の画地とします。
- ④ 貸し出している相手(借主)が複数いる場合(貸宅地): 土地を他人に貸している場合、同じ土地であっても、借りている人(同一人)ごとに区分して、それぞれを1画地として評価します。
- ⑤ 同じ敷地内に複数の貸家(アパート等)がある場合: 貸家が2棟以上あるときは、原則として各棟が占めている敷地ごとに別々の画地として評価します。
- ⑥ 2人以上のオーナーから土地を借りて一体利用している場合: 借りている人(借主)側から見ると、一体で使っているため「全体で1画地」となりますが、土地を貸しているオーナー(貸主)側から見ると、それぞれの所有部分ごとに「別々の画地」として相続税を計算します。
- ⑦ 共同ビルの敷地になっている場合: 複数の人が共同で建てたビルなどの敷地は、その全体をまとめて「1画地」として評価します。
- ⑧ 一部を自宅に使い、残りを家族に無償で貸している場合(使用貸借): 親の土地の一部に子供がタダで家を建てて住んでいるような「使用貸借(しようたいしゃく)」による貸し付けの場合、他人に貸して権利が制限されているわけではないため、権利の切り分けはせず「全体を1画地」として一体で評価します。
3.評価単位の判定を間違えたときの「大損リスク」
土地の評価単位の判定は、単に計算の手間が変わるだけではありません。最終的な相続税額を大きく左右する「小規模宅地等の特例」の適用範囲や、土地の形状(奥行が長い、不整形など)による各種の減額補正が使えるかどうかに直結するためです。
実務上、本来は「分けて評価すべき土地」を一緒にしてしまって減額特例を使い損ねたり、逆に「まとめて評価すべき土地」を別々にしてしまったりして、税務署から否認されるケースが後を絶ちません。土地の評価単位を正しく見極めることこそが、土地の相続税申告における最大の節税の鍵となります。
まとめ:土地の正しい評価は「専門家による現地確認」が不可欠です
宅地の評価単位の判定は、登記簿(公図)や契約書を確認するだけでなく、実際の境界線や利用の実態、フェンスの有無などを現地でしっかりと調査しなければ、プロであっても正しい判断が下せない専門性の高い分野です。
将来の相続税がどれくらいになるのか、今の土地の分け方で損をしないか気になる方は、ぜひ一度お早めに専門家へご相談ください。
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